知っておきたい女性の冷え性対策

女性に多い冷え性対策について紹介しています。体の内側からの対策、そして外側からの対策、両方上手にやっていきましょう。

半身浴で血行を促進!

お風呂に入ることは、冷え性の対策としてよく知られていますが、ただ入るだけではクーラーなどで冷えた身体は容易に温まりません。

 

では、どのようなことに気をつけて入浴すれば良いのでしょうか。

 

まず知っておかなければならないことは、熱いシャワーを浴びたり、熱い湯につかるだけでは、冷えは取れないということです。

皮膚の表面は温められますが、熱さに反応して血管が収縮してしまうため、体内に熱が回らないのです。

少しぬるめの40度前後のお湯に、長時間ゆっくりつかるのが効果的です。

 

さて、入浴の仕方には足湯や手浴などさまざまありますが、最も有名なのは半身浴でしょう。

湯船におへそから下だけつかり、30分程度そのまま温まります。

お風呂に入るとき普通は裸で入りますが、半身浴の場合は上半身がお湯の外に出て冷えるので、乾いたタオルを肩にかけると良いでしょう。

半身浴をしながら、音楽を聴いたり本を読んだりするのもいいですね。

 

冷え性の対策として、塩をお湯に混ぜるという手もあります。

塩分には身体を温める作用があるのでオススメです。

天然塩を女性の手で2つかみ程度、湯船に溶かすだけなので、とても簡単ですね。

皮膚が弱い場合でも、天然塩でしたら加減を見ながら量を調整して使うことができます。

 

冷えを防ぐためには、入浴後のケアも大切です。

半身浴などでしっかりと身体を温めたら、湯船を出てすぐに冷たい水を両足にかけましょう。

こうしておくと、足から熱が逃げていくのを防ぐことができます。

そして、夏の暑い時期でも部屋にはクーラーがかかっていますので、お風呂あがりには靴下をはくようにしましょう。

 

運動で血流を高めて冷え性対策

冷え性への対策には、運動が欠かせません。

 

運動をすることで血流が良くなり、クーラーなどで冷えた身体に温かい血液を送り込むことができます。

冷え性対策として効果的な運動をいくつか紹介します。

 

1.ストレッチ
道具は要らず、身ひとつで始められる運動といえば、ストレッチですね。
朝起きたときにノビをすると思いますが、これをゆっくり何度か繰り返すことから始めましょう。
頭のてっぺんからつま先までをのびのびとしなやかに伸ばしていると、身体全体が目覚めていきます。
イスに座ったままでも、つま先を上に上げたり、かかとを持ち上げたり、足を伸ばしてふくらはぎを伸ばしたりと、簡単にストレッチが行えます。
ひざから下をじっくり伸ばす動作を繰り返していると、足先への血流が改善されていきます。

 

2.筋肉トレーニング
筋肉は熱を生み出す役割を持っていますので、強化するほど身体を温めてくれます。
簡単に行える肩と腕の筋肉トレーニングがオススメです。
壁に両手をついて体重をかけ、腕立て伏せの要領でひじを曲げ伸ばしたり、ひざを曲げて床に座り、後ろに手をついて曲げ伸ばしたりするだけです。
そのほかにも、腹筋や背筋を加えたり、もも上げを加えたりして、オリジナルのプログラムを作ってみましょう。
筋肉トレーニングは、呼吸を止めずに行うのがポイントです。

 

3.有酸素運動
エアロビクスまで負荷の高い運動でなくともよく、ただ歩くだけでも十分です。
有酸素運動は脂肪を燃焼させて血液を温め、血流も促進します。
クーラーの効いた部屋を抜け出して、抜けるような青空を見ながら、散歩がてら近所を歩いてみるのも楽しいものです。

 

 

食べ物で体を温めて冷え性対策

冷えはクーラーの使いすぎが原因だから、皮膚の表面が冷えているだけのことだ、などと思っていませんか?

 

暖房や入浴などで外側からいくら皮膚の表面を温めても、内側から冷やしていては温かさが持続せず、冷えはひどくなるばかりなのです。

 

クーラーが当たり前の現代では、食生活の改善が冷え対策として重要です。

大人から子どもまで、朝食を食べない人が増えてきているとのことですが、朝にエネルギーが補給できないままでいると、体温を上げたり血液を循環させたりすることができず、身体が冷えてしまいます。

少量でも良いので、朝食を抜かないようにしましょう。

 

また、極端な偏食は冷えを引き起こす原因になります。

野菜を食べず、インスタント食品やファーストフードに頼っていると、炭水化物ばかりでタンパク質やビタミン・ミネラルが不足してしまい、食べたときは大丈夫でも、生み出した熱を長時間保持することができません。

偏食の人は貧血を起こすことも多いのですが、酸素不足で脂肪の燃焼ができず、血液を温めることができないため、冷え性になりやすいのです。

 

食材には、体を冷やすものもあるので要注意です。

夏の暑い時期に食べるトマトやレタスは体を冷やす働きを持っています。

バナナやマンゴーなど、南国が原産地の果物も同様です。

また、白飯や白パンなど、色の白い食材は体を冷やすと言われています。

 

体を冷やす飲み物には、コーヒーや緑茶などが挙げられます。

冷え性対策としては、これらの食材を大量に摂取することを避け、色の濃い根菜類、紅茶や中国茶のような発酵茶、玄米や全粒粉パンを摂るようにするとよいでしょう。

 

 

クーラーと上手に付き合って冷え性対策

暑い夏には、クーラーの涼しい風がありがたいものです。

 

しかし、クーラーをかけすぎると身体が必要以上に冷えてしまい、肩こりや夏バテなど体調不良になる場合があるので要注意です。

クーラーによる冷えを防ぐ対策をいくつか紹介します。

 

1.タイマーを使わない
外出から帰ってきたとき、部屋が涼しくなっているようにタイマーをかけていく場合がありますが、これはNGです。
暑いところでは皮膚の毛穴が開いて熱を発散している状態なのに、涼しい部屋に入って身体を冷やすとすぐに毛穴を閉じることができないため、急激に熱が失われていきます。
季節にも春や秋という変わり目の季節があるように、帰ってきてからクーラーを入れるようにして、身体を慣らしながら涼しくしていくようにしましょう。

 

2.設定温度は外気温マイナス2度にする
あまりに暑いと25度以下に温度を設定してしまいがちですが、30度越えもあるような日本の夏にこれはNGです。
クーラーは少し暑いと感じる程度が最適ですので、28度あたりが適切な設定温度でしょう。
東日本大震災の影響で節電が呼びかけられ、スーパーやコンビニなどのお店でもクーラーの設定温度を上げるようになりました。
自宅でも、冷え対策として設定温度を下げすぎないようにしましょう。

 

3.風に直接当たらない
風は熱を奪い去るので、風に直接当たり続けているとどんどん体熱が逃げていってしまいます。
クーラーの風向きは自動ならばルーバーが上向きになりますが、どうしても暑い場合でもルーバーを動かすような機能を使いましょう。
扇風機を併用している場合も、必ず首ふりをするようにしておきます。

 

 

 

靴下の重ねばき&ひざかけで下半身を厚着にして冷え性対策

靴下をはかずに素足でいることが多かったり、ミニスカートばかりはいたりして、下半身を冷やしていませんか?

 

女性の下半身薄着は、子宮の冷えに直結していて生理痛や不妊症の原因になることもあるので、クーラーが効いた学校やオフィスでは服装に気をつけたいものです。

 

"頭寒足熱"という言葉がありますが、これは上半身を涼しく下半身を温かくするとバランスよく身体が温まるという意味です。

クーラーのルーバーをよく見ると、上方を向いていることが分かります。

同じエアコンでも、ヒーターの場合は下方を向いており、石油ファンヒーターなどは低い位置に送風口があります。

温かい空気は上へ、冷たい空気は下にいく傾向にあるからです。

下半身が薄着だと、下に溜まった冷たい空気を身体に呼び込む形になるのです。

 

とはいえ、クーラーがないと熱中症にかかるほど暑い日本の夏に、なかなか厚着というわけにはいきませんね。

そこで、夏でも簡単に冷えを防ぐ対策を2つ紹介します。

 

1.靴下の重ねばき
夏は素足にサンダルで出かけることも多いのですが、長時間クーラーの効いた場所にいることが分かっている日だけでも、靴下の重ねばきをオススメします。
下から、シルクの五本指靴下・綿の五本指靴下・シルクの先丸靴下・綿の先丸靴下と4枚以上重ねてはきます。
実は暑く感じているのは上半身がほとんどですので、靴下の重ねばきをしても意外に暑苦しくはなりません。

 

2.ひざかけ
ひざを温めると、ひざより末端の足の部分に温かい血液が巡るようになるので、冷え対策にはひざかけも有効です。
冬は、ひざかけの中に湯たんぽやカイロを仕込むのもいいですね。

 

 

高齢者は冷え性になりやすい

冷え性は高齢者に多いと言われますが、身体の機能が老いによって衰えているため、避けられないことではあります。

 

主な原因は、老化による基礎代謝の低下です。

特に意識しなくても、私たちの身体は生命を守るために心臓を動かしたり呼吸をしたりしています。

基礎代謝とは、何もしなくても生命活動などでエネルギーが消費されることを言います。

基礎代謝が衰えるとエネルギーの消費量が少なくなり、熱を生み出しにくくなってしまうのです。

 

冷え性を防ぐためには、体内で脂肪を燃焼させて血液を温め、その血液を全身に循環させなければなりません。

しかし、高齢者は油っこい食事を避ける傾向にありますし、そもそも食事自体の量も減ってきていますので、燃焼させるための燃料が不足しています。

心臓の機能が弱まり、全身に血液を送ることも難しくなりますので、どうしても身体の各所に冷えによるトラブルが発生してしまうのです。

 

高齢者の場合、冷えによって手足がしびれたり関節が痛んだりするため、身体活動が不自由になります。

外に出て運動することが嫌になり、クーラーの効いた部屋にこもりきりになってしまうと、せっかく生み出した少量の熱も体外に逃げてしまいます。

冷えは万病の元と言われますので、何らかの対策を施したいものです。

 

高齢者の冷え対策は、食事の改善と毎日の運動がメインです。

五穀米や色の濃い野菜などの体を温める食材を積極的に摂り、散歩程度でもよいので日に一度は外に出て歩くようにしましょう。

クーラーは気温より2度低い温度に設定するようにして、外気と落差がないようにするとよいでしょう。

 

女性は冷え性になりやすい

女性に冷え性が多いのは、月経周期によりホルモンバランスが変化しているからだと言われています。

 

月経にかかわるホルモンには、エストロゲンプロゲステロンがあります。

エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれており、排卵を促すホルモンなのですが、熱をつくりにくいという性質があり、エストロゲンの分泌中は低温期に入ってしまいます。

排卵が終わり、プロゲステロンの分泌が高まってようやく体温が上がってきたと思いきや、生理がくれば多量の血液が排出されるので、血量が減って冷えてしまうのです。

 

月経周期が巡るのは女性にとって当たり前のことなので、その周期の大半が冷えやすい身体になっていることを自覚するのが難しいのは確かです。

だからといって、真冬に薄着で過ごしたり、暑いからといってクーラー漬けになり、対策もせずにただ冷えるにまかせていると、身体のあちこちに不調が現れてきます。

もっとも顕著な不調が"生理痛"です。

生理は女性にとって自然な営みですから、痛みがひどかったり、吐き気やむくみなどの症状が出る可能性は低いものです。

ひどい生理痛に悩まされている場合は、全身または子宮の冷えが原因かもしれません。

 

女性ホルモンの分泌による冷えには、生理が始まってから低温期の間に以下の対策を取るとよいでしょう。

・血液を増やす食べ物を積極的に摂る
・入浴時間を長めにする
・カイロでお腹と腰を温める
・クーラーの設定温度を外気より2度低く設定する
・しょうがなど体を温める食べ物を多く摂る

 

冷えが重症化した場合は、ピルを飲むことにより改善することがあるので、婦人科を受診して相談されることをお勧めします。